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【動向】中国:EV用固体電池の国家標準案が公開

中国における車載電池の次世代スタンダードを左右する重要な動きがあった。2025年12月、中国国家標準化管理委員会は『電動自動車用固体電池 第1部:用語および分類』の征求意見稿(意見募集案)を公開した。

1.標準策定の経緯

中国は現在、電気自動車(EV)用リチウムイオン電池で世界シェアの過半数を握っているが、さらなる安全性向上とエネルギー密度の追求のため、政府主導で次世代技術である「固体電池」の標準化を加速させている 。本標準は、従来の液体電池から固体電池への移行期において、業界内での定義を統一し、品質評価や行政管理の基盤を作るために策定された 。

2.起草組織・企業の分類別リスト

本標準の策定には、中国の産官学、および一部の外資系企業を含む広範な組織が参画している 。

研究機関・検査団体:

  • 中国自動車技術研究センター有限公司 (CATARC)
  • 中汽研新能源汽車検査センター(天津)有限公司
  • 国聯自動車動力電池研究院有限責任公司
  • 工業および情報化部電子第五研究所
  • 中国自動車工程研究院股份有限公司

電池メーカー:

  • 寧徳時代新能源科技股份有限公司 (CATL)
  • 合肥国軒高科動力能源有限公司
  • 深圳市比亜迪リチウム電池有限公司 (BYD)
  • 北京衛藍新能源科技股份有限公司
  • 欣旺達動力科技股份有限公司
  • 中創新航科技集団股份有限公司
  • 瑞浦蘭鈞能源股份有限公司
  • 清陶(昆山)能源発展集団股份有限公司
  • 中汽新能電池科技有限公司
  • 蜂巣能源科技股份有限公司
  • 万向一二三股份公司
  • 超威電源集団有限公司
  • 深圳新源邦科技有限公司

自動車メーカー:

  • 比亜迪汽車工業有限公司 (BYD)
  • セリス汽車有限公司
  • 中国第一汽車股份有限公司
  • 東風汽車集団有限公司
  • 重慶長安汽車股份有限公司
  • 北京新能源汽車股份有限公司
  • 奇瑞汽車股份有限公司
  • 嵐図汽車科技股份有限公司

外資系・その他:

  • トヨタインテリジェント電動車研究開発センター(中国)有限公司
  • メルセデス・ベンツ(中国)投資有限公司
  • 寧波工程学院

3.本標準の主要内容

本標準(第1部)では、業界で曖昧だった固体電池の定義を明確な数値で分類している点が特徴である 。

伝導原理による分類: 電解質の状態により「液体電池」「混合固液電池(半固体電池)」「固体電池(全固体電池)」の3つに分類される 。

固体電池の判定基準: 電池が「固体電池」であるかどうかの判定は、以下の条件および試験方法に基づいて行われる。

  • 判定対象: 電池単体(セル)
  • 判定条件: 規定の試験による質量減少率(失重率)が 0.5%以下 であること (※2025年5月に公開された団体基準の1%より厳格化)
  • 試験方法(附属書A):
    • 前処理: 指定された充放電規程に従い、電池を放電状態にする
    • 開封: 外装を破口(角形は防爆弁、パウチ型は封止部など)させ、目視で液体の流出がないことを確認する
    • 真空乾燥: 試験対象を真空乾燥箱に入れ、120℃ まで昇温し、360分間 保持する(真空度:-0.095 MPa ~ -0.1 MPa)
    • 算出: 加熱前後の質量差から揮発した液態物質の含有率(失重率)を算出する

技術的分類: 固体電解質の種類(硫化物、酸化物、ハロゲン化物、ポリマー、混合固体電解質)や、伝導イオン(リチウム、ナトリウム等)による分類体系を確立している。

4. 狙いと将来の見込み(推測)

中国政府の狙いは、「言葉の定義」を先に押さえることで、グローバルな市場ルールを主導することにある。

市場の淘汰: 0.5%という厳しい基準を設けることで、低品質な「自称固体電池」を排除し、優良企業へ投資とリソースを集中させる狙いがある。

標準体系の完成: 今後、性能(第2部)、安全(第3部)、寿命(第4部)に関する標準が順次整備され、法規制の枠組みが完成する見込みである。

注:本記事の内容は2025年公開の「征求意見稿(意見募集案)」に基づいたものであり、最終的な確定版では内容が変更される可能性がある。


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